神山千年杉トレー

柚人(そまびと)とは、山を知り尽くした職人を指す言葉であるといいます。かつて林業で賑わった神山は、多くの柚人が行き交う町でもありました。その中心にあった上分(かみぶん)地区に生まれ育った松井佑夫さんは、「雨が降ったら、木が育つ(雨が木を育ててくれる)と喜んだっていうくらい。」と幼少時代を振り返ります。

70歳を過ぎた今も山に入り、自らの目で木を選び、伐採、加工、塗りまでの全ての作業を行う松井さんは、木工の道50年。木をまるごと見て、木の個性を活かすことに こだわります。推定樹齢600年を超える神山杉から作った一枚板のトレーは、その木目を楽しめるよう、無垢の木地に神山の蜜蝋を塗って仕上げました。

山を守り、山に守られるという柚人が、木と心を合わせながら作り出すトレーは、千年の森の物語を運んでくるようです 。

ギャラリー杣人(そまびと)
松井工芸 松井佑夫(まついすけお)さん

幼い頃から山に親しみ、家具の運送業に就いたことをきっかけに独学で木工を始める。平成15年に「阿波の名エ(徳島県卓越技能者)」に認定。工房の隣に開設しているギャラリ には、お遍路さんーのための休憩スペースを設けている。